気になる過去 2
シャネルと彼はいつしか一緒になっていたが、彼女は、あの人は英国人なのよと言っていました。
事実、彼の母親はイギリス人であったし、英語もフランス語も話せて書ける男であったようだ。
シャネルが56歳の最後の恋人は、13歳年下で、背の高い行儀のいい紳士風の男であり、女たちを魅きつける能力はかなりあったということをつけ加えておこう。
その分、軽薄でもあった。
なにしろあだ名はスパッツ―雀なのです。
いつしか彼はカンボン通りの店の上の小さな部屋に住みつき、時おり彼女が会いにゆくという方法がとられていました。
誰にもふたりのことははっきりわからなかったし、今となってはすべては闇の中に葬り去られてしまいました。